男性隊員に賠償命令、国への請求は棄却 空自わいせつ訴訟で判決

2026/05/28 13:22 

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 航空自衛隊の基地内で2階級上の男性隊員からわいせつな行為をされ、被害申告後も配置転換など適切な措置が取られず精神的苦痛を受けたとして、元空自隊員の女性が国と男性隊員に計1210万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(三井教匡裁判長)は28日、男性隊員に165万円の支払いを命じた。国に対する請求は棄却した。

 訴状などによると、女性と男性隊員は九州の別々の基地に所属。男性隊員は両基地間を往復するバスの運転手だった。女性は2020年7月、勤務地の基地内で隊員からキスされたり胸を触られたりするなどのわいせつ行為を受けた。女性は上司に被害を相談したが、男性隊員の業務は継続された。

 空自側は21年3月、女性が被害申告後も基地内で男性隊員と遭遇した事実を把握し、男性隊員の基地への立ち入りを禁じて運転業務から外したが、女性は被害後に不眠やフラッシュバックなどを訴え、23年3月に依願退官した。

 空自側は同年10月、男性隊員の行為をセクハラと認定し、停職1年の懲戒処分とした。

 厚生労働省は男女雇用機会均等法に基づく指針で、民間事業主に対し、職場でセクシュアルハラスメントが起きた際に被害者と行為者を引き離す配置転換などの措置を取るよう求めている。

 女性側は訴訟で、接触禁止を求めた後も基地内で男性隊員と鉢合わせしたなどとして「指針に基づく職場の環境調整義務に違反した」と主張。一方、国側は「指針は国家公務員に対して直接定めたものではない。男性隊員の業務を変更するなど適切な措置を講じた」と反論していた。

 また、男性隊員側も「雰囲気的に許されると考え、不法行為の故意はなかった」として請求棄却を求めていた。【栗栖由喜】

毎日新聞

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