高騰続くアスファルト、自然素材で再生 農研機構など新技術開発
農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などは3日、でんぷんと植物油を原料とする新素材を使って、劣化したアスファルトの性能を回復させる技術を開発したと発表した。世界的な原油価格高騰でアスファルトも値上がりする中、資源の有効活用と環境負荷の低減に役立つことが期待される。
道路の舗装や屋根の防水などに使われるアスファルトは、石油を精製した際の残渣(ざんさ)から作られる。国内では道路舗装に使われたアスファルトの99%以上がリサイクルされている。ただしその際、石油由来のオイルなどを添加して軟らかくしているが、長く使用と再生を繰り返すうち、熱や紫外線などによって劣化が進んで硬くもろくなり、品質の回復に限界があった。
そこで農研機構は、でんぷん由来の糖質と植物油由来の脂肪酸を原料に独自に合成・開発した新素材「C―AG」に着目。劣化したアスファルトに混ぜたところ、C―AGはアスファルト内部で自発的に繊維状の構造を作り、アスファルトは劣化前の状態に近い柔軟性を取り戻したという。
アスファルトは軟らかい成分と硬い成分が混じっているが、劣化すると硬い成分が凝集する。C―AGは各成分を分散させ、繊維を作ることで硬い成分の凝集を阻害していると考えられるという。
今後、道路舗装に使用した際の耐久性や、紫外線による劣化に対する効果などを検証し、2~3年かけて実用化の可否を判断する。
農研機構の岩浦里愛・上級研究員は「従来のオイル補充型再生は『失った成分を足す』方式だが、C―AGは『構造を作り直す』方式。原料のでんぷんや脂肪酸は供給が安定している強みもある」と話している。【菅沼舞】
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