妻が離婚届見せ不貞行為 不倫相手の賠償、審理差し戻し 最高裁

2026/06/05 15:06 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 婚姻中に不倫されて離婚を余儀なくされたとして、元夫が元妻の不倫相手に330万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は5日、不倫相手に55万円の支払いを命じた2審・高松高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。2審判決は、元妻から離婚届を見せられて離婚を信じた不倫相手に落ち度(過失)があるとして賠償責任を認めていたが、審理のやり直しが必要と判断した。

 判決は、元妻と元夫の婚姻関係が破綻していたと、不倫相手が信じる相当の理由があったか否かを検討する必要があるとした。

 2審判決によると、飲食店でパート勤めをしていた元妻は、当時婚姻中だった元夫との関係を雇用主に相談。次第に雇用主と親密になり、元夫とは離婚するつもりと伝えて離婚届も見せた。しかし、夫の署名欄は空欄で、実際に離婚したのは相談するようになってから約半年後だった。元妻は離婚前に雇用主の自宅で未明まで過ごすこともあった。

 1審・高松地裁丸亀支部判決(2024年8月)は、元妻と雇用主が夜に数時間過ごしただけでは不貞行為を推認できないとして、元夫の請求を棄却した。

 これに対し、2審判決(25年2月)は夜に数時間過ごしたことで不貞行為を推認できると判断を逆転させた。その上で「離婚したとか、婚姻関係が破綻しているなどと虚言を弄(ろう)して不貞行為に及ぶ者が多いことはよく知られている」と言及。うのみにした雇用主は注意が足りないなどとして55万円の支払いを命じた。【安元久美子】

毎日新聞

社会

社会一覧>