線状降水帯の予測精度向上へ レーザー光で水蒸気観測 気象研
豪雨災害の一因となる線状降水帯の発生予測精度を高めるため、気象庁気象研究所は5日、発生源となる水蒸気の量をレーザー光を使って観測する取り組みを7月から試験的に始めると発表した。2028年まで実施し、1割強にとどまる低い「的中率」の向上を目指す。
線状降水帯は、次々と発生する発達した雨雲が列をなし、数時間にわたって同じ場所に大雨を降らせる線状の強い降水域。14年の広島市の土砂災害や24年の能登半島の豪雨などを引き起こしてきた。
気象庁は22年から半日前の予測を始めたが、25年の的中率は約14%で予測精度の向上が課題だった。
発生メカニズムは未解明な点も多く、気象研は22年度から他の研究機関と大気や海洋の集中観測を進めてきた。26年度は新たに、赤外線レーザー光を使って大気中の水蒸気の量や分布などを測定する装置を気象庁の観測船「啓風丸」に搭載。7~11月に東シナ海や四国南沖などで観測を行う予定だ。
観測では、1秒間に1万回のレーザー光を上空に照射。レーザー光は大気中のちりに反射して戻ってくるが、一部が水蒸気に吸収されるため、光の弱まりから水蒸気量を割り出すことができる。光が戻る時間から水蒸気が分布する高度も算出できる仕組みという。
気象研の永戸久喜研究総務官は記者会見で「海上から入ってくる水蒸気の流れを明確に把握し、最終的には線状降水帯の予測精度向上につなげたい」と述べた。【岡田英】
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