スイカの「種」名産地・奈良、実はシェア8割 改良へ調査最盛期
本格的なスイカの収穫時期を迎え、奈良県田原本町の種苗会社「萩原農場」で、スイカの品種改良に向けた果実調査が行われている。昨年末から種をまいて試験的に交配したスイカを収穫し、半分に切って同じ系統に並べて糖度や食感を調べる。5~7月が最盛期で、多いときは1日に200個以上を調べる。10月まで続く。
奈良県は全国に占めるスイカの生産量としては1%にも満たないが、種子の供給では全国の約8割を占める。1916(大正5)年創業の同社は、創業者の萩原善太郎氏が「味は良いが割れやすいスイカ」と「頑丈だがあまり甘くないスイカ」の品種改良を重ね、「甘くて農家が安心して出荷できる頑丈な」現代のスイカの礎となる品種「富研号(ふけんごう)」を開発し、全国へ広げた。現在も同社はスイカの種子販売「日本一」を誇る。
品種の開発は、狙った特性を得るために自家交配を何度も繰り返して、特性を強め固定する作業を繰り返す。交配を何代もするため長い年月がかかる。新しい品種を生み出すためには、7000~8000個のスイカを試作する。
現在、全国で栽培されているスイカは約100品種。近年は猛暑に強い品種「煌夏(おうか)」やカット販売に適した硬めの肉質の「ぷちっと」など、時代のニーズに応える品種が日々開発されている。常務の萩原佑介さん(36)は「猛暑などの気候変動にも強く、生産者が安心して栽培できる品種を開発しています。最近は種が小さいスイカや果肉が黄色のスイカなどさまざまな物を提案しています」と話す。【小関勉】
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