生活保護者の死亡届出さず 遺体は葬儀会社に 神奈川・小田原
神奈川県小田原市は18日、昨年11月に死亡した、身寄りのない生活保護受給者の死亡届を提出せず、遺体を葬儀会社に安置したままにしていたことを明らかにした。40代の男性ケースワーカー(CW)と上司が必要な対応を怠っていたといい、加藤憲一市長が記者会見して陳謝した。
市によると、死亡したのは80代男性。11月30日、不動産管理会社が男性の自宅で発見し、小田原署が死亡を確認した。
同署は12月5日、市生活援護課に男性の「死体及び所持品引取書」などの関係書類を市に引き継いだ。一部の書類には市福祉事務所の受領印があるものの、CWは「その時の記憶がない」と答えたという。
本来、受給者が死亡した場合は保護の廃止を決め、保護費の支給を止めるが、CWは男性の死を知りながら手続きや上司への報告をせず、今年1月以降の保護費を勝手に窓口支給に切り替えていた。このため保護費の過支給はない。
2月に不動産会社が、男性の自宅が引き払われたと市に連絡。CWは3月23日、「居所不明」を理由に、生活保護廃止決定を1月1日付で行った。この際、上司は状況把握を指示したが、その後の確認をせずに決裁した。
6月16日に葬祭会社が男性の遺体を安置したままであると小田原署に連絡し、市は死亡届が出ていないことなどを確認したという。
CWは5年目のベテランだが「業務の重要性が理解できておらず、考えが甘かった」などと釈明しているという。市は今後、死亡届を提出して遺体を火葬し、葬祭会社に安置費用を支払う。
加藤市長は「(生活保護)利用者の生死というCWにとって最も重要な事案を放置し、故人の尊厳を損なった。(CWの行為は)理解に苦しむが、申し訳ないとしか言いようがない」と陳謝した。【本橋由紀】
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