東日本大震災の地震波、日本列島を5ミリ動かす 地球深部で反射

2026/06/19 03:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2011年の東日本大震災で発生した地震波が地球の核(コア)に跳ね返って地表に戻り、日本列島のほぼ全域で地盤を東向きに最大5~6ミリ動かしていたとの分析結果を、米シカゴ大などの研究チームが18日付の米科学誌サイエンスに発表した。コアで反射した地震波は、東日本以外のプレート境界でも滑りを誘発したとみられるという。

 研究チームは、地震計や地殻変動を測るGNSS(全球測位衛星システム)観測点のデータを1秒ごとに解析した。それによると、マグニチュード9・0の本震発生後、地中深くに向かった地震波(S波)がマントルとコアの境界面(深さ約2900キロ)で反射。跳ね返った地震波(ScS波)は本震の約15分後、日本列島全域へほぼ同時に到達していた。

 通常、地震波はコアで跳ね返って地表に戻るまでの往復約5800キロの間に弱まるが、地震の規模が極めて大きく、強いScS波が届いたという。

 ScS波が地表に到達した直後(本震の約15~16分後)、日本のほぼ全域のGNSS観測点が東向きに移動。その変動幅は、東北の震源域付近で最大5~6ミリ、中部や中国地方でも約4ミリに及んでいた。

 震源域から遠い北海道や九州の観測点も動いていたことから、ScS波は広範囲に複数のプレート境界の滑りを誘発したと考えられるという。東日本大震災が起きた太平洋プレートと北米プレートの境界だけでなく、南海トラフ地震が想定されるフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界でも滑りが生じた可能性がある。

 ただし、こうした滑りは急激な破壊を伴う通常の地震と異なり、比較的ゆっくりと進行したため、強い揺れとして感知されなかった可能性が高い。

 チームのパク・スンヨン・シカゴ大助教は「地球のコアに反射した地震波がプレート境界で追加の滑りを引き起こしうる可能性が示された。巨大地震の本震が終わった後でも地震を起こす恐れがある」と指摘している。【岡田英】

毎日新聞

社会

社会一覧>

写真ニュース