「悪質ホストより巧妙に」風営法改正1年 売春導く構図変わらず

2026/06/29 07:00 

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 女性客に多額の借金を背負わせる悪質ホストクラブを取り締まる改正風営法の施行から6月28日で1年がたった。女性を路上や海外での売春に追い立てた業界に対し、警察はこの間、厳しい目を向けてきた。だが、悪質ホストたちによる営業実態は変わっていない。

 掛け(ツケ)を持ちかけ、恋愛感情をほのめかす――。女性客からは「私服警察官を絶対に店に入れないようにするなど、店側は捕まらないように手口を巧妙化させ、むしろより悪質になっている」との声が上がる。

 ◇「証拠が残らないように」

 日本最大のホストクラブ街、東京・歌舞伎町を抱える警視庁ではこの1年、改正風営法を適用した逮捕事案が1件にとどまった。300店近いホストクラブは改正後もほとんど減らずに営業を続けている。

 6月上旬、東京都内の女性(23)は、そのうちの1店で「掛けでもいいよ」と持ちかけられた。会計は2万円。全額をその場で支払ったが、担当したホストからは、しつこく「掛けにしなよ」と言われたという。

 「掛けを作らせて店につなぎ留め、何度も通わせるためでしょう。掛けはやめると宣言したのに、実際には何も変わっていない」と女性は明かす。

 このホストからは再三、「好き」「一緒になろう」と言われるという。法改正により、客の恋愛感情につけ込んで飲食させる「色恋営業」は禁じられたが、女性は「ホストたちは営業にならないよう『好きだから店に来て』とは言わない。『好き』『会いたい』だけ。それも証拠が残らないよう、メッセージでなく電話で」と話す。

 ◇路上売春女性、4割が「ホストのため」

 改正風営法では、ホストクラブ側が料金支払いのため女性客を誘惑・威迫して売春を求めることも禁じられた。

 ただ警視庁によると、1月以降に路上で売春の客待ちをしたとして逮捕された女性30人余りのうち、4割近くが動機に「ホスト代を稼ぐため」と話したという。ホストクラブへの支払いに追われ、女性たちが売春に走る構図は変わっていない。

 一方、この1年で逮捕されたホストクラブ関係者は5人。法改正前の24年は1年間で13人だった。

 複数の女性客によると、ホストクラブでは入店時に身分確認として保険証の提示を求められるケースが増えている。「私服警察官を入れないため、勤務先が分かる保険証を見たがっている」という。

 摘発者の減少は全国でも同様の傾向にあり、警察庁は「法改正の効果が一定程度あった」とみている。【洪玟香、春増翔太】

毎日新聞

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