「命を思う日」 九州北部豪雨から9年 住民ら犠牲者を追悼

2026/07/05 18:15 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 福岡、大分両県で死者・行方不明者42人が出た2017年の九州北部豪雨は5日、発生から9年を迎えた。特に被害の大きかった福岡県朝倉市では、住民らが黙とうや献花をして犠牲者を追悼した。

 市内では午前10時にサイレンが鳴り、多くの人が黙とうをささげた。住民や児童が避難した旧松末(ますえ)小校舎を生かした松末コミュニティセンターの講堂には献花台が設けられ、松末地区の住民ら約100人が花を手向けた。

 自宅に流木や土砂が流れ込んだが、2階に避難して一命を取り留めた井手五月さん(82)は「救出されるまで不安でいっぱいだった。命の大切さを思う忘れられない日です」。堀真由美さん(69)は亡くなった近隣の住民をしのび「一人一人の笑顔を思い浮かべながら黙とうした」と話した。

 市によると、自宅が損壊するなどした1069世帯の住宅新築や修繕、市外転出を含めた生活再建は25年12月で完了した。河川や道路、農地の復旧が進んだ一方、地域では人口減少や高齢化に歯止めがかからない。松末地域コミュニティ協議会の高倉保之会長(74)は「災害を語り継ぎながらどのような形で地域を維持し、守っていくかが課題だ」と話した。

 九州北部豪雨は、17年7月5日から6日にかけて梅雨前線が停滞した影響で線状降水帯が発生し、大雨による土砂災害や河川の氾濫が相次いだ。【石田宗久】

毎日新聞

社会

社会一覧>