「人格権侵害認められず」 大飯原発差し止め訴訟 住民側が敗訴
京都府を中心とする42都道府県の住民約3500人が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを求めた訴訟の判決で、京都地裁は14日、請求を棄却した。関電と国の賠償責任も認めなかった。斎藤聡裁判長は「住民の人格権が侵害されているとは認められない」と述べた。住民側は控訴する方針。
訴訟で住民側は、大飯原発では原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」(原子力施設の運転中に発生し得る最大の揺れ)が過小に設定されていると主張。原発事故時の避難計画にも不備があると訴えていた。
判決は、活断層が3連動することを前提に、関電が各種探査を行って不確かさを考慮した上で地震動を想定していたと認め、関電の対応が不合理であるとは言えないとした。
原発から放射性物質が放出されて住民に危険が及ぶとは言えず、避難計画が不十分であることを理由に原発の運転差し止めが認められることはないとも言及。住民側の主張を全面的に退けた。
原告団は「原発の危険性から目を背け、住民を危険の中に置き去りにする判決だ」、関電は「引き続き、安全性・信頼性の向上に努め、原発の運転・保全に万全を期していく」とコメントした。【資野亮太、大東祐紀、林みづき】
◇独立した司法、機能せず
広瀬弘忠・東京女子大名誉教授(災害リスク学)の話 他の原発訴訟と比べてもあまりに無関心で、薄っぺらい判決だ。住民側の主張を十分に吟味した形跡は乏しく、国の新規制基準を順守していれば安全性に問題はないという姿勢に終始している。原発事故時の住民避難の実効性についても、真摯(しんし)な検討を欠いている。裁判所自ら積極的に判断する意図がみられず、独立した司法が機能していない。
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