「まさにその場所で…」10年前の割れ残り、動いたか 熊本で震度7

2026/07/28 20:50 

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 気象庁によると、28日に熊本県で起きたマグニチュード(M)7・1の地震は内陸型で、断層が水平方向にずれる「横ずれ断層型」だった。

 震源の周辺には「布田川(ふたがわ)断層帯」と「日奈久(ひなぐ)断層帯」という二つの活断層帯が存在する。

 2回の最大震度7の地震が立て続けに発生した2016年4月の熊本地震では、北側の布田川断層帯と、南側の日奈久断層帯の一部がそれぞれ動いた。

 今回の地震では、当時割れずに残った日奈久断層帯の一部が動いた可能性が高いと専門家はみる。

 ◇長期評価でSランク

 遠田晋次・東北大教授(地震地質学)は「最近、日奈久断層沿いで地震活動が活発化していた」と解説する。遠田教授によると、日奈久断層帯は全長約80キロあるが、熊本地震では北側の4~5キロしか割れなかった。そのとき割れ残った部分がM7・1の地震で20~30キロにわたって動いたとみられる。その後さらに南側でも大きな余震が続いている。

 遠田教授は「隣接する布田川断層が(10年前に)動いたことで、そのしわ寄せが向かい、大きな地震が発生する可能性が高まっていた。まさに今回はその場所で起きた」と指摘した。

 今回の震源域は、多くの専門家が大きな地震の発生を予測していたエリアだった。政府の地震調査委員会による活断層の長期評価によれば、日奈久断層帯のうち今回の震源付近では、今後30年以内にM7・5程度の地震が発生する確率が最高ランクの「Sランク」(3%以上)と位置づけられていた。

 ◇「力がたまっていた場所」

 石山達也・東京大地震研究所准教授(変動地形学)は「16年に布田川断層帯が活動し、地盤にかかる力が変化したことによって、日奈久断層帯が活動しやすくなっていると指摘されていた」と語る。酒井慎一・東大地震研教授(地震学)も「10年前の地震でエネルギーが十分に解放されず、力がたまっていた場所だ」と話した。

 震源域にかかる力の度合いを解析してきた静岡県立大の楠城一嘉特任教授(統計地震学)によると、16年の地震によって、日奈久断層帯にかかる力は全体として緩和したとみられる。ところが、断層帯の中央部だけは力が強まり続けていたという。楠城特任教授は「いつ起きてもおかしくない地震だった。16年の地震で割れた断層と割れ残った断層の境目から破壊が進展したとみられる」と話した。

 日奈久断層帯は今回の震源からさらに南西の八代海まで延びている。遠田教授は「16年の熊本地震などのように数時間、数日後にもっと大きな地震が起こる可能性もある。八代海に延びる活断層まで割れれば津波が起きる可能性もある」と警戒を呼び掛けた。【信田真由美、垂水友里香、渡辺諒、菅沼舞、荒木涼子】

毎日新聞

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