空自機墜落、調査結果公表 サバイバルキットが操縦妨げたか

2026/07/31 19:16 

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 航空自衛隊のT4練習機が2025年5月に愛知県犬山市の入鹿(いるか)池に墜落し、搭乗していた隊員2人が死亡した事故で、空自は31日、事故原因に関する調査結果を公表した。直接的な原因は特定に至らなかったとする一方、不適切な操縦などの複合的な要因を指摘。本来なら離陸前に行うはずの機器設定を操縦中に行ったうえ、緊急脱出用の「サバイバルキット」を持ち込んだことが操縦を妨げた可能性があるとした。

 事故は25年5月14日に発生。愛知県営名古屋空港を離陸したT4が高度約1300メートルまで上昇した直後に急降下し、空港から北東に約11キロの入鹿池に墜落した。死亡した2人はいずれも空自新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)の部隊に所属していた。

 空自によると、2人はT4とF15戦闘機をそれぞれ操縦し、新田原基地から名古屋空港に移動。F15を定期修理に出した後、2人でT4に搭乗した。その際、F15用のサバイバルキットを基地に持ち帰ろうと、後部操縦席に持ち込んだ。サバイバルキットは緊急脱出用の信号筒や無線機などが入ったコンテナ(縦40センチ、幅43センチ、高さ16センチ)をバッグに入れたもので、重さは9キロだったという。

 調査結果は、1人が離陸前に通信機器の設定を失念したことから離陸後に操縦席で設定を始め、その作業に集中するあまり機体の操縦がおろそかになったと考えられるとした。これにより、機体の飛行速度が超過して規定の高度で水平飛行をせずに上昇し、さらに高度を下げようとして機内の重力が低下。サバイバルキットが操縦席の中で動いて操縦かんの操作を妨げた可能性があると指摘した。

 キットについては機体の修理などに伴い、基地に持ち帰ることがあるものの、輸送手段は統一的な基準がなかったという。空自は再発防止策として、安全な飛行を妨げる物品の操縦席持ち込み禁止▽サバイバルキット輸送手段の基準の明確化――などを挙げた。

 空自トップの森田雄博・航空幕僚長は31日の臨時記者会見で「地域住民や多くの皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と陳謝し「事故の教訓を真摯(しんし)に受け止め、安全確保を最優先として再発防止に取り組むとともに、国民の信頼回復に全力で努める」と述べた。【宮城裕也】

毎日新聞

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