大型望遠鏡、打ち上げへ ハッブルの数千年分をわずか5年で観測

2026/08/27 07:30 

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 米航空宇宙局(NASA)は日本時間30日夜、宇宙進化の歴史に迫る「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」を米フロリダ州から打ち上げる。幅広い視野で観測できるのが特徴で、謎に包まれた宇宙を満たすダークマター(暗黒物質)や、宇宙膨張を加速させるダークエネルギーの測定を目指す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)も協力し、日本として初めて米国の大型宇宙望遠鏡の計画に直接参加する。

 ローマン望遠鏡は、これまでに大きな観測成果を上げてきたハッブル宇宙望遠鏡に比べ、可視光で100倍、近赤外線で200倍の視野を持つ。巨大なパノラマ画像の撮影が可能だ。ハッブル望遠鏡なら数百年から数千年かかる調査を5年でできるという。総予算は43億ドル(約6900億円)。名称はNASAの女性科学者にちなむ。

 ダークマターなどの影響で光が曲げられる「重力レンズ効果」や、ダークエネルギーによる宇宙の加速膨張を示唆する超新星爆発を網羅的に観測する。

 恒星の明るい光を遮蔽(しゃへい)して暗い惑星を観測する装置「コロナグラフ」も搭載しており、地球のように恒星を回る太陽系外惑星の観測も実施する。系外惑星はこれまで6200個が発見されているが、新たに10万個の観測を目指す。NASAは2040年代に地球外生命を調査する宇宙望遠鏡を計画中で、今回の技術はその計画の土台となる。

 日本はコロナグラフの部材を供給するほか、観測データの25%を長野県の地上局で受信する。国立天文台のすばる望遠鏡などで地上からも観測を支援する。JAXAの山田亨チーム長は「日本だけで宇宙天文台を実現するには時間がかかり、国際協力の重要性が増している。ローマン望遠鏡は人類にとって最先端の研究で、日本の参加は大変有意義なこと」と話す。

 ローマン望遠鏡は高度約150万キロの予定軌道に向け、スペースXのロケット「ファルコンヘビー」に載せて打ち上げられる。観測開始は約3カ月後。【木許はるみ】

毎日新聞

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