実った野菜も農機具も水没 収穫シーズン前に農家落胆 福井大雨

2026/08/30 20:56 

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 石川県と富山県で線状降水帯が発生し、記録的な大雨を観測してわずか3日。今度は福井県に30日、長時間にわたって雨が降り続けた。道路や田畑は茶色い泥水に沈み、秋の収穫シーズンを控えた農家らは肩を落とした。

 「出荷に大きな影響が出るだろう。ここまでひどいことになるとは思っていなかった」。福井市高屋町の野菜農家「農園たや」の田谷徹社長は失望を隠さなかった。

 トマトやベビーリーフといった十数種類の野菜を育てているが、ビニールハウス20棟(約8000平方メートル)が水につかった。約500万円するという収穫機も水没。「完全に使えないとなれば、手で収穫しなければならない。大きな痛手」と頭を抱えた。

 田園風景が広がる福井市徳光町も土砂が混ざった水に沈んだ。徳光町で食品加工業を営む青木珠美さん(54)は「農家の友人から『どうしようもない』と連絡を受けた。本当に気の毒だ」と語った。

 県内で一時、大雨特別警報が出されたのは福井市、福井県大野市、勝山市の3市。だが、30日の大雨は3市にとどまらず、広域に被害をもたらした。

 避難指示が出た坂井市でも、多数の浸水が発生。道路を中心に泥水が浸水し、市街地は茶色に染まった。

 坂井市丸岡町の「室町商店街」では、木本宏子さん(86)が長男と自宅に浸水した雨水を掃き出し、片付け作業に追われていた。「こんな水害は初めて。高齢者が多い町なので、今後どのように片付けていくか」と不安がった。坂井市にある小型機やヘリコプターが発着する福井空港も滑走路や駐機場の一部が浸水し、緊急以外のヘリの発着を取りやめた。坂井市では女性が骨折する被害が確認されたものの、目立った人的被害はなかったという。

 県によると、県内で一時、避難所が100カ所以上開設され、最大592人が避難した。【中尾卓英、岩本一希、国本ようこ、二村祐士朗】

毎日新聞

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