公益通報した元社員に4700万円請求 会社の控訴棄却 東京高裁

2026/09/03 20:34 

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 機密情報を外部に流出させて会社の信用を傷つけたとして、医療機器メーカー「スターサージカル」(東京)が元社員の男性に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は3日、元社員の行為は公益通報目的で違法性が阻却されるとの判断を示した。1審に続きスター社の請求を認めなかった。

 判決後に記者会見した男性は「高裁も公益通報目的を認めてくれて、ほっとした。重大な不正を発見した人が通報するのを諦めない社会になってほしい。今回の判決で一歩前進した」と語った。

 男性によると、取引先の病院に勤める医師に商品を優先的に使ってもらうため、見返りに謝礼を支払うスター社の販売促進キャンペーンについて、贈収賄になる可能性があると2021~22年に複数の警察に情報を提供した。その際に契約書や医師に支払われた金銭の記録などを持ち出した。

 スター社は22年に機密情報を持ち出したとして男性を解雇したが、大阪府警は23年、スター社の社員を贈賄容疑、約80万円を受領した奈良県大和高田市立病院の眼科医を収賄容疑で書類送検した。医師らは有罪が確定したものの、スター社は24年に男性を提訴した。

 高裁は1審同様に男性にはスター社の犯罪行為を通報する目的があったと認定。捜査機関は信用性を判断する必要があり、事件と直接関係のない情報が含まれていても直ちに公益通報は否定されないと言及し、スター社の控訴を棄却した。

 スター社は「社内で判決内容を精査するとともに、今後の対応を協議する」とコメントした。【安元久美子】

毎日新聞

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