「農業県」直撃の台風 8月豪雨生き延びた名産・落花生も水没

2026/09/25 21:07 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 台風25号による記録的な大雨により、千葉県では農地の冠水被害が広がっている。8月の千葉豪雨に続く被害で、日本一の収穫量を誇る落花生にも影響が及んでいる。農機具が浸水して使えなくなった農家からは「農業を続けられるだろうか」と不安の声が上がる。

 ◇田植え機やコンバインも水没

 「まさかここまで水が上がるとは思わなかった」。堤防が決壊した印旛沼に近い同県成田市大竹地区の農家、小林久さん(61)はつぶやいた。

 22日朝、一帯が冠水していると知らされ、農作業小屋へ駆けつけた。小屋には収穫したばかりの米60袋を置いていた。1袋は30キロ。急いで高さ1メートルほどの台に移動させたが、水位は約1・5メートルに達し、水につかってしまった。

 田植え機やコンバイン、もみすり機や乾燥機も水没し、被害額はざっと3000万円。小林さんは「全部だめになってしまった。機械類を買い直せるだろうか。農業を続けられるのだろうか」と不安を口にした。

 ◇8月上回る被害の可能性も

 千葉県は農業産出額(2024年)が4533億円で、全国4位の「農業県」。県によると24日時点で、54市町村のうち40市町村で農林水産業の被害が確認され、大豆70ヘクタール、水稲61ヘクタール、ニンジン13ヘクタールが浸水。8月の千葉豪雨の被害は33市町村で計約82億円だったが、今回は被災エリアが広いため、被害規模が大きくなる可能性がある。

 ◇「農業離れる人増えるかも」

 千葉県は国内産の落花生の約8割を生産している。千葉市緑区のあんばい農園では、約3ヘクタールの畑で落花生を栽培していた。しかし8月の千葉豪雨で約3割が出荷できなくなり、さらに今回の大雨で約1割が水没した。農園の三本木絵未さんは「8月の豪雨で生き残った落花生を、頑張って育てようと思っていたのに……」と悔しがった。

 同県八街市の落花生の加工販売業、増田繁さんは今後の天候に気をもむ。「落花生は11、12月が最も売れる時期。収穫が遅れて天日干しや製品化に影響すると、買い手がいるのに商品がなくなってしまう」。増田さんは「こんな被害が続くと、農業から離れる人が増えるかもしれない」と話した。【合田月美、柴田智弘】

毎日新聞

社会

社会一覧>