未成年の選挙運動禁止、原告側が控訴へ 「違憲」も完全勝訴求め

2026/10/05 14:07 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 未成年者の自発的な選挙運動を罰則付きで禁じる公職選挙法の規定の合憲性が争われた訴訟で、原告の17~20歳の男女4人が9月25日の東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴する方針を固めた。判決は選挙運動を禁じた規定を「違憲」とする一方、第三者が未成年を選挙運動に使用することを禁じた規定は「合憲」と判断しており、国の賠償責任と合わせて「完全勝訴」を求める。

 原告側が5日、明らかにした。7日に控訴する予定。地裁判決は1952年の公選法改正で一律禁止の規定が設けられてから初めての違憲判決だった。

 地裁判決は「選挙の公正確保、未成年の保護という立法目的は一律禁止の規定によらずとも達成できる」と指摘し、罰則付きで未成年者の選挙運動を禁止した規定は表現の自由を保障した憲法21条に反するとした。一方で、第三者が未成年を選挙運動に使用することを禁じた別の規定には合理性が認められるとして合憲とした。

 国の賠償責任については、国会が規定を見直さなかった不作為があるとまでは言えないとして原告側の賠償請求を棄却した。

 公選法は約70年前の法改正時に子どもが選挙運動に駆り出されたことを踏まえ、未成年者の選挙運動を禁じ、違反した場合は1年以下の懲役(現在は拘禁刑)や30万円以下の罰金と定めている。未成年を選挙運動に使用した第三者にも同じ罰則を適用する。

 原告側は「政治的表現の自由は特に重要な憲法の権利」と主張し、二つの規定はいずれも違憲だと主張。国側は未成年者が選挙での人海戦術に使われる▽判断能力が十分でなく不当な選挙運動に巻き込まれる――などの弊害があるとし、いずれも合憲だと反論している。【安達恒太郎】

毎日新聞

社会

社会一覧>