ジュニアテニス選手が海外合宿 錦織圭選手と国枝慎吾さんも指導
今年8、9月に東京・有明テニスの森公園であったユニクロ全日本ジュニアテニス選手権(毎日新聞社、日本テニス協会主催)のシングルス優勝者らによる海外合宿が12月14~23日、米フロリダ州で開催された。合宿終盤にオンラインでのインタビューに応じたジュニア選手たちは、海外で課題を見つけ、その手応えに充実した表情をみせていた。【大村健一】
海外合宿は同選手権の副賞で、「ファーストリテイリング財団」(柳井正理事長)が、グローバルな選手・人材の育成を目的に2022年から実施している。今回は12選手が世界トップクラスの選手たちと切磋琢磨(せっさたくま)し、大会アンバサダーを務めた日本テニス界のレジェンド、錦織圭選手と国枝慎吾さんも参加者らを直接指導した。
◇車いす選手も初参加
ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権は今年から、国内のジュニア大会で初めて、車いすテニスの部(男女混合のシングルス)を併設。優勝した橘龍平選手と女子で4強入りを果たした松岡星空(せいら)選手も車いすテニスの選手として初参加した。
2人は、国枝さんがアドバイザーを務める全米テニス協会のトレーニング施設「ナショナル・キャンパス」で研さんを積んだ。橘選手は「国枝選手とマンツーマンでメンタルのトレーニングもしました。また、テニスでの課題も見つけてもらいました」。期間中は、ジュニア世代の有力選手たちが世界各国から訪れていて、「米国のジュニアで、たぶん今、世界でいちばん強い選手と打てたので新しい目標が見つかりました」と成果を語った。
国枝さんは「車いすのジュニアの子供たちは海外経験が少ない選手が多い。視野を広げる機会になればいいなと思います」と期待を込めた。
◇名門アカデミーでのレッスンも
U12~18の各部門で上位に入った選手たちは、同州のアスリート養成学校「IMGアカデミー」でトレーニングに励んだ。IMGアカデミーは、世界中からあらゆる競技のトップ選手が集う豪華施設で、東京ドーム約50個分の広大な敷地に、テニスだけでも55面のコートが広がる。敷地内には全寮制の学校もあり、アカデミー生たちは世界的な指導者のもとで腕を磨く。
一昨年の第1回からこの合宿で指導している錦織選手にとって、IMGアカデミーは13歳で留学し、飛躍のきっかけをつかんだ場所でもある。錦織選手は、「海外では、例えばとても背の高い選手とか、日本ではなかなか戦えない相手とも練習できる。特に負けたときに、どう反省するかが大事」と話す。
昨年に続き、2度目の参加となった野口紗枝選手(U18女子優勝)は今後、プロとして活動する。「去年より進路が明確になっていたので、海外の選手と自分の違いや、どうすれば勝てるのかなど、目的を持って参加できました」と今回の合宿で収穫を得た様子だった。逸崎獅王(しおん)選手(U18男子優勝)は、米国の大学へ進むことを検討していて、「錦織選手や、米国の強い大学の選手とも練習できた。将来に向けて海外の雰囲気も味わうことができ、いい経験になりました」と手応えを感じていた。
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