エキスポ駅伝、16日号砲 青学大は「わんぱく大作戦」で盛り上げ
2025年大阪・関西万博(4月13日開幕)の開催を記念した「エキスポ駅伝」は16日、大阪府吹田市の万博記念公園から万博会場のある大阪市の夢洲(ゆめしま)までのコースで行われる。実業団と大学のトップチーム同士が競う異例のレース。15日に大阪市で行われた前日記者会見には箱根駅伝で総合2連覇を果たした青山学院大の原晋監督が出席し、恒例の作戦名も披露した。原監督の主な発言は次の通り。
<レースへの意気込みと注目選手を教えてください>
僕はですね、こういった大会は本当にすごいことだと思います。大阪の大企業にスポンサードしていただいているんですよね。当たり前のように思っている選手に対して「そんなことはないんだぞ」と言っております。そして、大会を開くにあたりましては当然お金もいるんですけれども、公道ですよね、それも大阪のど真ん中を走れる大会を企画していただいたことに、大変感謝を申し上げます。
明日の駅伝ですけども、頑張るのみでございまして。なんとか上位で走りたいなと、そういうふうに思ってます。
<注目選手は>
箱根駅伝、おかげさまで優勝させていただきましたけれども、新体制となりまして、(優勝を経験した)4年生では鶴川(正也)のみ1区に起用できることになりましたけども、あとは新体制の選手。特に新2年生を(中心に)起用しておりますので。次世代エースに成長してくれる2年生ですので、彼たちの頑張りに期待しております。
<今大会も非常に楽しみにしておりましたが……>
作戦(名)ですか? ……ありますよ(笑い)。万博にちなんでですね、こうして実業団と学生がしのぎを削る画期的な大会ができました。この大会を見て、多くの少年たちが「駅伝やりたい」「今日からやりたい」と、そういう文化がこの大阪の街、万博の街から出てくるものだと思います。名付けましてですね、万博と少しかけまして(カメラ目線で)、「わんぱく大作戦」!! 身体能力の高い子が万博記念の大会を見て、ランナーを目指そうというふうになっていただければ、これ幸いでございます。「わんぱく」は平仮名でございます。
<青山学院大学の選手でわんぱくだなと思う選手がいれば教えてください>
決して悪いことをしたから髪を短くしたんではありませんけども、4区を走ります(1年生の)安島(莉玖)選手。爽やかな丸刈りでですね、わんぱく坊主が走ってきますんで(笑い)。
<毎回のように作戦名を発表していて大変なこともあるかと思いますが>
きょうはスッと出ましたよ。万博を盛り上げていかなきゃいけませんからね。関東でまだ前売り券が(さほど)売れていませんので、これを機に関東でもドカッとこの駅伝を通して盛り上げて、この万博を「わんぱく」で行きたいと。……オチがなくてごめんなさい。
<今大会の狙いは>
特に今回は内容ですよね。「駅伝力」があるのか否かを見ていきたい。要は(上級生が)抜け落ちますので。毎年毎年選手が代わるのが大学スポーツですから。駅伝力がどうあるかというのを見ていきたい。(例えば)単独走の中でどう走り切れるかというところ、それぞれの区間で何番でいるのかというところを見ていきたい。
あえて言うならば、やっぱり目指すところは当然優勝です。ナンバーワンを目指すのが、今の自分のチーム(状態)がどうであれ、一番を目指していくのがトップチームの責任だと思いますので、優勝を目指して頑張りたいと思います。
<今回のレース前に、実業団のチームに対して強い言葉で「宣戦布告」をした真意は>
私、そこまで性格が悪い男じゃないというのが大前提にあるので(笑い)。あえて演出している部分もございますので、理解をいただければと思うんです。
普及という側面を考えた時に、この駅伝で(実業団と)ガチンコで戦う、「お前に勝つ」とかね、ちょっと汚い言い方をすることによって、マスコミの皆さん、取り上げるじゃないですか。エキスポ駅伝自体が盛り上がるわけですよ。そうすると視聴率上がるんですよ。視聴率上がると企業、スポンサーさんは喜ぶわけですよ。で、また来年もこの駅伝やろうじゃないかという機運が高まってくるんだと思うんです。
陸上界というものがこれからもより発展するためには、この駅伝競技というものが全国で行われるようにならないと。「わんぱく小僧」たちはサッカーとか野球に流れるわけなんですよ。それを食い止めて、身体能力の高いアスリートがこの駅伝というものを魅力あるコンテンツにする。
実業団がなぜ駅伝チームを持っているか。個人で世界を目指すのなら個人がスポンサーをつけて戦えばいいわけですよ、(実業団が)十何人。二十何人(の選手を)抱えて組織を持っているのはなぜかって言ったら、駅伝があるからなんですよ。その原理原則を忘れると、あまり喜ばしいことにはならないと僕は思っているんです。そういう論理立てなんですね。
何度も言いますよ、そんなに性格の悪い男じゃありませんからね。過激な発言をすると盛り上がるんです。ボクシングでは戦う前にチャンピオンと挑戦者がにらみ合いをするじゃないですか。あれと同じことをやっているんです。ご理解ください!
<大学として、実業団にチャレンジするという気概でしょうか>
マラソンでも大学アスリートが結果を出してきました。ですから、従来のような「実業団」「大学」っていうカテゴリーは、ある意味もう捨てるべきだと僕は思っているんです。そういう指導を学生たちにやってます。
高校まではジュニアアスリートです。カテゴリーも違います。でも、大学生になってくると、特に大学3、4年生になると、オリンピックを目指すにあたってもですね、もう実業団の選手と対等に同じ土俵で大会が行われるわけですね。日本選手権しかり、オリンピック代表のマラソン予選会しかり、もう全部一緒なわけなんで、もはや構造的にはですね、「実業団」「学生」が上下じゃなくてフラットな目線で挑んでいく。ガチンコで戦うっていうような意識、そういう意識を学生に植え付けさせるからこそ、もっともっと学生も頑張ってレベルが上がってくるというものだと思います。
(青学大の主力選手が参加し、結果を残した)別大(別府大分毎日)マラソン、大阪マラソンと、学生からも(上位選手が)一定数入ってますよね。そういう学生の頑張りが陸上界の底上げとなって、そして実業団選手も「負けちゃいかんぞ」ということでさらにレベルアップして業界そのものが盛り上がっていくっていう構図になるんだと思っております。
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