かつてない強さの日本 視線の先にあるものは 「最速」でW杯出場
◇サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(20日・埼玉スタジアム)
◇○日本2―0バーレーン●
「世界最速」かつ「過去最速」。日本が他の追随を許さない圧倒的な内容で、W杯の切符を手にした。森保一監督は「(国民の)応援のおかげで選手たちが躍動してくれた」と喜びをあらわにした。
試合序盤にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入の末にゴールが取り消しになるなど、先制点が遠いもどかしい展開に。焦りから攻撃のリズムを崩してもおかしくなかったが、今の日本は動じない。
後半21分。伊藤洋輝が自陣からバーレーンのプレスの間を抜くように縦パスを通すと、上田綺世が華麗なターンでさらに前へボールを送る。それを拾った久保建英のラストパスに、途中出場の鎌田大地が右足でネットを揺らした。鎌田は「すごい良いタイミングでパスが来た。あとは決めるだけだった」と待望のシーンを振り返った。
試合終盤にも左CKを起点に久保が角度のないところから追加点を奪い、試合を決めた。
苦しんだ末にW杯の切符をつかむことが多かった日本だが、今回はひと味違う。ここまで最終予選で6勝1分けで無敗、24得点2失点という結果が、その順調さを表している。
16強入りした2022年W杯カタール大会後、森保監督や選手らは目標として「W杯優勝」を公言するようになった。三笘薫は「まだまだ世界の頂点に行くには、やらなければいけないことはたくさんある」、久保は「僕たちの目標はここ(W杯出場)ではない」と強調する。かつてない強さを見せた日本の目線の先は、かつてないほど高いところにある。【高野裕士】
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