◇ラグビー・リーグワン（１２日、東京・秩父宮ラグビー場）

　◇○静岡ブルーレヴズ（静岡）５６―２６東芝ブレイブルーパス東京（ＢＬ東京）●

　昨季の覇者で今季も早々とプレーオフ（ＰＯ）進出を決めている「王者」を寄せ付けなかった。４位の静岡が８トライの猛攻でＢＬ東京を圧倒し、３試合を残してＰＯ進出条件の６位以内を確定させた。

　サイドを幅広く使い、スペースを狙う攻撃が効果的だった。前半９分、左から大きく展開し、最後は正確なキックパスを右端で受けたＷＴＢマロ・ツイタマが先制トライを挙げると、一気に流れをつかんだ。相手守備を翻弄（ほんろう）し、前半だけで４トライを奪った。

　もう一つの勝因が、組織的なディフェンスだ。ＦＬ大戸裕矢が「アタックさせたら（リーグ）１位の強さ。個々の能力もすごい」と認めるＢＬ東京に２人でぶつかるダブルタックルで迎え撃ち、攻撃の芽を摘んだ。

　点差を広げられた焦りからかミスが目立ったＢＬ東京の主将で、節目となる１５０試合出場を勝利で飾れなかったリーチ・マイケルは「自分たちの強みを完全に消された」と静岡をたたえた。

　リーグ創設から３季連続８位だった静岡にとっては初のＰＯ進出。藤井雄一郎監督は「（ＢＬ東京に）勝たないといけないのは今日じゃない」。ＰＯの再戦を見据える言葉に力がこもった。【川村咲平】