アビスパ福岡、初の首位 攻撃型に転換も「守れない選手使わない」

2025/04/12 20:23 

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 ○アビスパ福岡2―1横浜Fマリノス●(12日・ベスト電器スタジアム)

 推しチームを順位表で探す時、上からか下からか。これまで後者のことが多かった福岡が今、一番上にいる。守備から攻撃へと大きくかじを切ったクラブが、暫定ながらクラブ初の景色を見ている。

 ストライカーであっても守備ができない選手は使わない――。守備力を強みとして戦ってきた昨季までの話ではなく、今季から率いる金明輝監督が選手たちに課す第一条件だ。

 重視する攻撃面の変化に目がいきがちだが、基盤は昨季と同様に守備。そのやり方が「引いて守る」ではなく、前線からの積極的なプレスに変わった。

 1―1で迎えた後半36分の得点が象徴的だった。

 足の止まりそうな時間帯だが、前線から相手を追う。ボランチの見木友哉がセンターサークル付近でボールを奪うと、縦へと攻撃のスイッチを入れ、自らゴール前へと駆け上がる。右サイドのDF前嶋洋太からの速いボールに左足でダイレクトで合わせ、勝ち越し点を挙げた。

 足元の技術が高く、得点感覚にも優れる見木の本職はトップ下など2列目。金監督は「本来もっと攻撃的なポジションでゲームに臨ませた方がいいのかな」と悩みつつも、ボランチでプレーさせる。

 狙いは攻撃に参加する人数を増やし、得点の確率を上げること。「クロスに入る、攻撃に関わることは大事にしている。ボランチが前に出て関わっていかなければ攻撃に厚みが出ない」と見木。取り組み続けている形が攻守ではまった。

 過去のパワハラ行為を踏まえて新監督の人選に批判が集まり、開幕3連敗とつまずいた福岡の躍進をどれだけの人が予想できただろうか。「まだまだ先は長い。勝った負けたで一喜一憂せず」と金監督。勝ってかぶとの緒を締めた。【丹下友紀子】

毎日新聞

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