イスラエル、ガザ南部ラファを「緩衝地帯」に 全ての建物破壊も検討

2025/04/13 07:15 

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 パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、イスラエルのカッツ国防相は12日、エジプトとの境界に位置する南部ラファを「緩衝地帯」に組み込んだと明らかにした。イスラエル紙ハーレツによると、ラファには約20万人が暮らしていたが、避難した住民は帰ることが許されず、ラファのすべての建物を破壊することも検討されているという。

 ハーレツによると、ラファはガザ地区全体の5分の1の面積に相当する。イスラエル軍は12日、ラファとハンユニスを分断する「モラグ回廊」の設置も完了させたと発表。イスラエル軍は人質解放に向けてイスラム組織ハマスに圧力をかけるため、占領地を着々と拡大させており、人道危機がさらに拡大するのは必至だ。

 またカッツ氏は、ガザ地区を南北に分断する「ネツァリム回廊」も拡張させていると主張。ガザの住民に向けて「ハマスの追放と人質全員の解放、戦争を終わらせる最後のチャンスだ。さもなければ、ガザの大部分に緩衝地帯を拡大させる」と指摘した。

 イスラエル軍は12日もガザ地区への攻撃を継続。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、12日早朝以降の死者は少なくとも15人になった。ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者は5万933人になった。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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