中国、米への報復関税は125%で「打ち止め」か 商務省が談話

2025/04/12 21:55 

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 中国政府は12日、米国からの全輸入品に対する追加関税を84%から125%に引き上げた。トランプ米政権が中国への「相互関税」を引き上げたことへの報復措置だが、さらなる報復の打ち止めも示唆。一方、ホワイトハウスのレビット大統領報道官は11日の記者会見で「トランプ大統領は中国との交渉に前向きであると明確にしている。彼は楽観的だ」と述べた。今後米中が関税を掛け合う貿易戦争のさらなる激化が収束するかが、焦点となる。

 トランプ米政権は10日、中国に対し125%の相互関税を発動した。もともとは34%だったが、報復関税を繰り返し表明する中国に対し税率を引き上げた。合成麻薬の流入対策不備を理由にした制裁関税(20%)と合わせ、中国への追加関税率は145%となっている。レビット氏は「報復措置を続けるとすれば中国にとって良くない。米国は世界最強の経済大国だ」とも述べ、報復関税の取り下げを促した。

 中国政府は11日、125%の報復関税発動を表明したが、商務省は報道官談話で「米国が関税率のゲームを続けるなら、中国はもう取り合わない」とし、関税の引き上げ合戦を打ち止めにしたいとの認識も示唆した。

 一方、レビット氏は会見で、関税を巡る各国との交渉について「既に15以上の提案がなされている」と説明。具体的な国名は示さなかったが、多くの国との間で貿易交渉が進んでいるとの認識を示した。

 日本は赤沢亮正経済再生担当相が16日にも訪米し、ベッセント米財務長官らと交渉する予定。【北京・松倉佑輔、ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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