セレッソ大阪、ホームでの鹿島戦に15年ぶり勝利 「天丼」の末に

2025/04/12 20:15 

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 ◇◯セレッソ大阪1―0鹿島アントラーズ●(12日・ヨドコウ桜スタジアム)

 同じボケを続けることをお笑い用語で「天丼」という。本場のセ大阪サポーターも「なんでやねん」とずっこける内容だった。ゴールネットを揺らしながら、オフサイドの判定に泣くこと5回。後半追加タイムに、ついにPKを獲得した。

 しかし、キッカーのラファエルハットンのシュートは相手GKにはじかれる。「もうええわ」と突っ込みたくなる絶望にも、選手は顔を上げた。

 直後のCKでルーカスフェルナンデスが蹴り込むと、遠いサイドに流れたところを、進藤亮佑が合わせてゴール。後半57分に生まれた決勝点に、進藤はゴール裏のサポーターの元へ飛び込み、抱き合って歓喜を分かち合った。

 リーグ戦で鹿島にホームで最後に勝ったのは2010年。その後12連敗を喫していた。

 進藤は「12試合分の勘違いがあった」という。試合内容が良くて「きょうこそは勝てる」と思いながら、最終的には試合巧者の鹿島に白星を献上する試合が続いていた。

 この試合前にはアーサー・パパス監督が「歴史を変える一戦にしないといけない」と選手を鼓舞。運動量や攻守の切り替えで上回り、ボールを支配し、最後に結果で報われた。

 15年前に何をしていたかと問われ、即答できる人は少ないだろう。当時8歳でサッカーを始めたばかりのアカデミー育ちの西尾隆矢は「サポーターに対し、ふがいなさを感じていた。最後は神様が見てくれたのかな」。我慢し続けた分、まるでタイトルを獲得した後のように歓声がこだまし、大団円を迎えた。【生野貴紀】

毎日新聞

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