「世紀の番狂わせ」演じたヘスケス、ラグビーリーグワン100試合目

2025/05/04 23:19 

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 2015年のラグビー・ワールドカップ(W杯)イングランド大会に日本代表として出場し、南アフリカ戦で日本を歴史的勝利に導く決勝トライを奪ったルリーロ福岡のカーン・ヘスケス選手(39)が4日、ラグビーのリーグワンで通算100試合出場(前身のトップリーグを含む)を果たした。「まずは101試合目を目指す」と試合後、笑顔で意気込んだ。

 ヘスケス選手はニュージーランド出身。現地の大学を卒業後、10年に宗像サニックスブルース(当時は福岡サニックスブルース、現在は活動休止)に加入し、トップリーグなどでプレーした。

 強固なフィジカルと俊足を武器にしたバックスで、15年W杯の日本代表に選ばれた。初戦の南アフリカ戦で後半途中から出場し、試合終了間際に逆転トライを決めた一戦は「世紀の番狂わせ」とも言われた。

 22年まで宗像でプレーしたが、その年でチームが活動休止となり、一度は現役を退いた。

 しかし、福岡県うきは市を中心とした地域に創設されたルリーロ福岡に、23年に加入して現役復帰を果たした。

 ルリーロ福岡は今シーズンからリーグワンの3部に新規参入。4日は福岡県久留米市で今季ホーム最終戦のマツダスカイアクティブズ広島戦があり、ヘスケス選手は後半15分に途中出場。今季から転向したFWのフランカーでプレーした。

 現在の体重は105キロで力強いフィジカルも健在。試合では何度も密集へ入りトライラインに迫った。

 チームは12―35で敗れたものの、試合後には100試合出場を祝うセレモニーが開かれた。ヘスケス選手は、記念のTシャツを着たチームメートや相手チームの選手から祝福を受けた。

 来日から15年以上が経過し、福岡での生活も長くなった。大好物なのが名物の「肉うどん」だ。「ゴボウやかき揚げなども好き。今年からFWなので炭水化物は多めでも大丈夫ですね」

 チームからの信頼も厚く、若手に技術を伝えることにも熱心だ。この日の試合前、コンタクトプレーで指導を受けたプロップの延田朋樹選手(28)は「姿で示してくれる選手。ヘスケスが全力でやっているので若い選手は手を抜くことなんてできない」と敬服する。

 「来日当時は1年間の予定だったのでここまで長くいるとは思わなかった。でも日本ラグビーや文化が自分に合って、すぐ好きになって残りたいと感じたのを覚えている。101試合目の出場を目指します」とヘスケス選手。鉄人は次を見据えた。【林大樹】

毎日新聞

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