「海を渡る球児たち」にとって、待ち望んでいた知らせが届いた。

　米国務省は１８日、世界各国の米大使館で学生ビザ取得のために必要な面接の予約を再開すると発表した。これを受けて、今秋から米国の大学で野球に挑戦する選手たちからは安堵（あんど）の声が聞かれた。

　今春に関東の私立高校を卒業した１８歳の選手はＳＮＳ（交流サイト）からのニュースで知ったという。

　「ほっとした。再開されたらすぐに申し込むつもり。審査基準は厳しくなるかもしれないが、行ける可能性が高くなった」と声を弾ませた。

　米トランプ政権は５月下旬に新規の面接予約を一時停止したが、当初はあまり心配していなかったという。

　「すぐ終わるということだったので不安はなかったが、思ったよりも長引いた。再開を信じて待ちながらも、最悪の事態を想定して親と相談した。国内の大学受験や他の国への留学も視野に入れ、どんな選択肢があるか考えた」

　神奈川県出身の１９歳の選手は「いつになるか分からない不安はあったが、できることをやろうと英語の勉強に打ち込んだ。ニュースを見て安心した。（留学をあっせんする業者に）面接予約のために必要な書類を速達で送った」と話した。

　一方、既にビザを取得していたという選手は「留学後にビザが取り消されないか心配。ＳＮＳでの発言だけでなく、軽微な交通違反にも気をつけたい」と述べた。【田原和宏】