ロッテ・山本大斗が本塁打含む4安打 敵軍に去った師の前で大暴れ

2025/06/20 20:53 

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 ◇D―ロ(20日・横浜スタジアム)

 さほど得点力が高いとは言えないロッテで今、最も怖い打者はこの人で間違いない。育成出身でプロ5年目の山本大斗。長打力が持ち味の右打者が、かつての師匠の前で、先制打に追加点のソロなどプロ初の4安打という大暴れを見せた。

 一回1死一、三塁では、ストレートを捉えて左前適時打。三回には2死からスライダーを仕留めて左ソロ。本人が手応えを感じたのは2―2だったカウントで、「2ストライクから捉えられたのが自分の中ですごく良かった」と喜んだ。これが今季7号。昨季までわずか9試合出場、0本塁打の選手とは思えない活躍ぶりだ。

 試合前、その山本があいさつに訪れたのが昨季までロッテで打撃コーチを務めていたDeNAの村田修一野手コーチだ。

 村田コーチは山本のことを「可能性は大いに感じるバッターだった」と振り返る。もともと粗さはあるものの、左足がしっかり壁となって、ボールを前でさばくことが得意だったという。

 ただ、以前の山本はストライクゾーンに入ってきた変化球を見送ってしまっていた。そこで村田コーチは「まずは振ってみないと、差し込まれているのか、相手のキレがいいのか分からない。慣れていくしかない」とアドバイスしたという。

 徐々に積極性を身につけた山本はロッテ打線の4番が定位置になりつつある。村田コーチの胸中はうれしさと悔しさが入り交じっているかもしれない。【岸本悠】

毎日新聞

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