巨人が意地の5点差逆転勝ち リチャードが値千金の同点3ラン

2025/07/21 21:20 

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 ◇○巨人6―5阪神●(21日・東京ドーム)

 「意地」でもぎ取った劇的な白星は、前半戦を締めくくる価値ある一勝だった。巨人は首位を独走する阪神を相手に5点差をひっくり返す猛攻で、サヨナラ勝ちを収めた。

 六回までわずか2安打。5点を追いかける巨人打線が目を覚ましたのは七回だ。先頭から連打でつなぎ、増田陸の適時打で1点を返すと、相手の失策で2点目を奪った。1死一、三塁となって打席に立ったのがリチャードだ。

 カウント2―2と追い込まれて「危機感」が脳裏をよぎった。「バットの先に当てて、ゴロでゲッツーだけはダメ。三振かホームランで良いと思っていた」。右のスラッガーがバットを数センチ短く持った。

 5球目。低めの変化球をすくい上げると、打球は左中間スタンドへ。値千金の同点3ランに、ダイヤモンドでガッツポーズを繰り返し、何度もほえた。

 19日に2位だったにもかかわらず自力優勝の可能性が消えた。自身も打率1割台前半と苦しみ、ベンチスタートも多かった。それでも「空気だけは悪くしちゃいけない」と積極的に仲間に声をかけて、チームを鼓舞してきた。

 リチャードの一発で勢いづき、九回に2死から吉川尚輝が勝負を決めた。阿部慎之助監督は「(最後は)意地を見せてくれた。リチャードの本塁打は大きかった」とたたえた。

 前半戦は借金2で折り返し、阪神とは10ゲーム差もつけられた。阿部監督が「反省するところはして、対策を練っていく」と語れば、リチャードも「まだまだ練習します」。気を緩めることなく後半戦で逆襲を期す。【牧野大輔】

毎日新聞

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