34年前の壁破るため 中島の飛躍支えた米国派遣 世界陸上
◇陸上世界選手権(18日、東京・国立競技場)
◇男子400メートル決勝6位(44秒62)=中島佑気ジョセフ(富士通)
コンディションの悪い雨の中でも、メダリストたちは今季世界最高記録などを出した。レベルの高さを思い知りながらも、中島佑気ジョセフは、磨き上げた終盤の粘りで、目標とした「高野先生」を超える走りを見せた。
スタートのリアクションタイムは最下位。明らかに出足で劣り、カーブを抜けてもなかなか挽回できなかった。それでも、最後の直線で息切れする選手を抜き去って順位を上げた。「やっぱりメダルを取りたかった」と悔しさもあったが「会場の後押しがあったから、自分の殻を破れた」と振り返った。
日本勢にとっても、男子400メートル決勝は34年前の東京で築かれてしまった高い壁だ。今大会の中島の躍進は、日本陸上競技連盟の近年の取り組みが結実したものと言える。
世界選手権では1991年東京大会で高野進が7位入賞を果たして以降、日本の選手は準決勝進出すらままならないケースが多かった。
1600メートルリレーも含めた強化に本格着手したのが、東京オリンピック前の2019年から。日本スポーツ振興センター(JSC)の次世代の育成支援事業を活用し、米国へ選手を派遣することになった。
「戦えないのは、海外のスピードについていけなくなっているから。世界の400メートルには、日本で言うところの(男子100メートルの)山縣亮太、桐生祥秀のような選手がいる」
短距離陣を統括する日本陸連強化委員会の土江寛裕シニアディレクターは説明している。
派遣先は、米国の有望株がひしめく南カリフォルニア大だった。
南カリフォルニア大は22年世界選手権で男子400メートルの金メダルを獲得したマイケル・ノーマンの母校。ノーマンが日本出身の母を持つことも縁になったという。
ナイジェリア出身の父を持つ中島も、南カリフォルニア大で鍛錬した一人だ。スピードだけでなく、持久力の強化を見据えた練習は、飛躍の礎になった。
「日本だと長くても(1本の練習は)300メートルで走っていたけど、米国は500メートル、600メートルと走る。その中でノーマン選手としっかり勝負できるな、という感覚もつかめた」
東京都出身の中島にとっては、まさに地元開催の世界選手権。「これが最初で最後かもしれない」という大会で、次なる高みを見据えるきっかけを得た。【岩壁峻】
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