韓国特別検察、旧統一教会・韓総裁を逮捕 現地報道

2025/09/23 03:30 

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 韓国のソウル中央地裁は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)容疑者(82)に対する逮捕状を発付した。「証拠隠滅の恐れがある」としている。韓国の聯合ニュースは23日、「韓総裁が特別検察に逮捕され、正式に収監された」と伝えた。

 特別検察が政治資金法違反などの疑いで逮捕状を請求していた。韓総裁は22日にソウル中央地裁で開かれた逮捕状の審査に出席後、ソウル拘置所で結果が出るまで待機していた。

 旧統一教会は韓国が発祥。信者数が多い日本の法人は今年3月、東京地裁から解散命令を受けた。さらに今回の事態が重なり、教団にとって大きな打撃となりそうだ。

 韓総裁は2022年、教団の当時の幹部、ユン・ヨンホ被告=請託禁止法違反罪などで公判中=と共謀し、前大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告(64)=内乱罪などで公判中=の妻や側近に金品を渡した疑いがある。特別検察は、教団側がその見返りに、22年5月に大統領に就任した尹氏に、教団が進める事業などで便宜を図らせた疑いがあるとみている。

 韓国の聯合ニュースによると、ユン被告の起訴状には、韓総裁の意思に基づいて国家が運営されるべきだとの旧統一教会の理念に基づき、尹前大統領夫妻に接近したと記された。

 韓総裁は17日、任意の事情聴取に対し、容疑をおおむね否認していた。また教団は「証拠隠滅や逃亡の恐れはない」などとして、逮捕状請求を棄却するよう訴えていた。

 韓総裁は、旧統一教会を創始した文鮮明氏(12年に死去)の妻。文氏の死後、総裁となった。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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