京都サンガ、執念のドロー PK譲ったラファエルエリアスの言葉

2025/09/24 07:30 

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 ◇△京都サンガFC1―1FC町田ゼルビア△(23日・サンガスタジアム by KYOCERA)

 絶望の淵にある時にチームの団結が問われることがある。京都の執念が最後に実った。

 1点を追う後半30分ごろ、PKを獲得した。蹴るのはラファエルエリアス。試合前の時点で得点ランキングトップに立つ絶対的なエースだ。しかし、シュートは相手GKに阻止されてしまった。

 意気消沈となってしまいかねない事態。それでも、すぐにDF鈴木義宜が肩を抱き、前を向かせた。ベンチも動く。後半40分に攻撃的な選手を3人入れた。守備に目をつぶってでも退路を断ち、前線にボールを集めた。

 迎えた後半追加タイム。先ほど投入されたばかりの佐藤響が大仕事をした。ペナルティーエリア内で相手に倒され、再度PKを獲得した。

 最初にボールを持ったラファエルエリアスだったが、原大智に譲り、声を掛けた。「リスペクトするよ」。リベンジしたい自分の気持ちよりもチームを優先した。

 その思いを込めた原は「絶対決めなきゃいけないと思った」。成功させ、土壇場で追いついた。

 劇的な展開とはいえ、優勝争いを考えれば残り7試合で首位・鹿島との勝ち点差が「5」に広がったことは痛い。全員でつかみ取った「1」を生かせるかは今後の自分たち次第だ。試合終了と同時に観客からのコールを受け立ち上がった、ラファエルエリアスはこう決意した。

 「我々の選手を誇りに思う。前に向かっていくだけ」【生野貴紀】

毎日新聞

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