プロ野球の新人選手選択（ドラフト）会議が２３日、東京都内で行われ、Ｈｏｎｄａ鈴鹿の田中大聖（やまと）投手（２３）が千葉ロッテマリーンズに７位で指名された。三重県鈴鹿市住吉町の合宿所で同僚らと中継を見守っていた田中投手は「ほっとした。目先だけでなく、１年間通して結果を残していきたい」と語った。

　大阪府出身の田中投手は山形・鶴岡東高３年時にチームは夏の甲子園に出場したが、自身は控えで出場機会はなかった。「努力したけど試合に出れず、ここで終わりかな」と野球に一区切りを付け、専門学校への進学を考えた。

　だが、両親に背中を押されたことで野球を続けることを決意。専用グラウンドがない近畿学生リーグ２部の太成学院大に進学し、投手と外野手の二刀流で活躍した。

　２０２４年にＨｏｎｄａ鈴鹿へ入社後は投手に専念した。主に中継ぎや抑えで起用され、今年６月の都市対抗東海地区２次予選では、自己最速１５７キロをマークし、スタンドを驚かせた。

　プロでの目標に「１６０キロと新人王」を掲げた。田中投手は「挫折して野球をやめる選手もたくさんいるが、本当に地道に努力すれば、どこかでは必ずつながってくると思う。みんなの指標になるような選手になりたい」と意気込みを示した。【渋谷雅也】