亀田3兄弟の再来か 中1、小6、小1のボクシング「北山3兄弟」

2025/10/24 07:15 

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 プロボクシング史上初めて3兄弟で世界王者になった「亀田3兄弟」の再来か--。亀田3兄弟の三男で世界2階級制覇の亀田和毅(ともき)選手(34)の所属するTMKジム(大阪市西成区)に、将来の世界王者を目指して練習する小中学生の3兄弟がいる。12月3日のプロ興行ではエキシビションでリングに上がり、スパーリングを行う。

 3人は大阪市港区在住で中学1年の北山龍登(りゅうと)さん(13)、小学6年の獅王虎(れおと)さん(11)、小学1年の鷹刀(たかと)さん(6)。長男と次男は6年前、格闘技好きの父賢司さん(44)に勧められて自宅近くのキックボクシングジムに入門した。3年前からパンチ力強化のため、アマチュアボクシングジムにも通ううちに「ボクシングの方が好きになった」(賢司さん)という。

 TMKジムは2022年12月、和毅選手が24時間練習できる環境を求め、以前所属した協栄ジム(東京都新宿区)の金平桂一郎元会長(59)を会長に据えて設立。次世代選手育成にも乗り出し、今年7月24日に小学3年~高校生を対象に入門希望者の第1回セレクションを実施した。

 龍登さんは「ジムの動画でセレクションを知り、亀田3兄弟のように3兄弟で世界チャンピオンになりたい」と、獅王虎さんと共に参加。サーキットトレーニングなどの体力テストやミット打ちなどをこなし、合格した。

 対象年齢外の鷹刀さんも入門を認められ、3兄弟は9月から平日は放課後にジムで練習し、土曜日はプロ選手たちと走り込む。小学生の2人とも「ボクシングは怖くない。面白い」と口をそろえる。

 9月下旬に和毅選手の新トレーナーとして、パナマ人で元世界ランカーのフアン・モスケラトレーナー(48)が来日したが、北山3兄弟も彼の「英才教育」を受けるようになった。WBAスーパーフェザー級スーパー王者だった内山高志選手(ワタナベジム、引退)の12連続防衛を二回KO勝ちで阻んだジェスレル・コラレス選手(パナマ)らを指導した同トレーナーは「3人とも世界王者になれる」と評価している。

 和毅選手は世界3階級制覇の長兄興毅さん(38)、世界2階級制覇の次兄大毅さん(36)と共に幼少時から父史郎さん(60)の指導を受けた。史郎さんと同様に「ボクシングジムの練習生だったが、実戦経験はない」という賢司さんは「技術指導はジムに任せる」ものの、自宅駐車場に練習スペースを設置し、息子たちにピンポン球を投げてよけさせる練習などを施している。

 和毅選手は「龍登はうまいし、獅王虎は派手な戦い方。サウスポーの鷹刀はいい右ジャブ、右フックを打つ」と評したうえで「いい環境で毎日練習すれば世界王者になれる。毎日続けることが一番難しい」と指摘する。

 TMKジムは12月3日に同市北区の「なんでもアリーナ」で興行を催すが、前座のエキシビションで他ジムのキッズ選手を含めたスパーリングを企画し、北山3兄弟も出場予定。龍登さんは「(観客がいて)緊張するけど、頑張りたい」と抱負。獅王虎さんは「(相手を)圧倒できるように」、鷹刀さんは「KOしたい」と意気込んでいる。【来住哲司】

毎日新聞

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