若者の自殺高止まり、5年連続3000人超 OD多さも指摘 25年白書

2025/10/24 09:15 

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 政府は24日、2025年版の自殺対策白書を閣議決定した。24年の15~29歳の若者の自殺者は3125人で、5年連続で3000人を超えた。若い女性は医薬品などの服毒による割合が高く、20~30代前半では自殺未遂歴がある人が4割を超えた。近年市販薬の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」が社会問題化しているが、40歳未満の未遂者の6割超がODで搬送されていたことも明らかになった。

 若者の自殺者が高止まりしている状況を受け、今年の白書は若者の自殺について詳しく分析した。

 男女別では男性1859人、女性1266人。各年代で男性が女性を上回ったが、10代後半のみ女性(347人)が男性(313人)より多かった。

 原因・動機は学生、社会人といった属性や年齢により傾向が違っている。大学生などの場合、男女とも21歳が最多で、主な原因はいずれも進路に関する悩みだった。

 自殺未遂歴の有無が自殺に至る大きなリスク要因となる。23、24両年の調査から未遂時の手段を見ると、40歳未満ではODが6割を超えていた。未遂歴があった割合は全年代で女性が多く、平均は3割だったが、20代は4割を超え、30代前半まで同水準で推移していた。

 厚生労働省の担当者は「ODへの対策が自殺未遂対策としても重要と位置づけている。また救急搬送後に再び自殺を試みないよう包括的な支援が必要だ」としている。

 24年の自殺者の総数は2万320人と前年より1517人減少し、統計開始以降2番目に少なかった。ただ、小中高生の自殺者数は前年から16人増の529人で統計開始以降最多となった。【肥沼直寛】

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