ガザの1万5000人、域外で治療必要 受け入れ国拡大要請 WHO

2025/10/24 09:52 

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 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、パレスチナ自治区ガザ地区で域外での治療が必要な患者は約1万5000人に上り、うち約4000人が子どもだと明らかにした。停戦の発効で医療物資の供給は増加しているものの、イスラエルによる病院の破壊などの影響でニーズは依然膨大だと指摘し、患者の受け入れ国の拡大を求めた。

 テドロス氏によると、ガザでは完全に機能している病院は一つもなく、36の医療施設のうち稼働しているのは14施設にとどまる。WHOは重症患者の周辺国などへの搬送を続けており、22日には41人の搬送を支援した。これまでに20カ国以上が患者を受け入れたが、700人以上が搬送を待つ間に亡くなったという。

 また、負傷者は17万人を超え、うち5000人以上が手足を失い、3600人以上は重度のやけどを負っている。戦闘の長期化とイスラエルの苛烈な攻撃の影響で、100万人が心理的なケアを必要としていると推計する。

 テドロス氏は、支援活動の拡充に向け、イスラエルが閉鎖を続けるエジプトとの境界にあるラファ検問所など全検問所の開放を要求。「飢餓や病気などの危機は決して終わっていない。子どもたちの命も危険にさらされている」と訴えた。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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