小さな靴150足並べ追悼 ガザで犠牲の子どもに思いはせ 渋谷

2025/10/24 18:23 

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 イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で行ったジェノサイド(大量虐殺)で犠牲となった子どもたちに思いをはせてもらおうと、子ども用の靴150足を並べる追悼イベントが23日夜、JR渋谷駅前であった。会場では、ガザで虐殺された1歳未満の乳児900人以上の名前と性別が読み上げられた。

 イベントを企画したのは、虐殺に抗議し、首都圏でパレスチナに連帯する行動に取り組んでいる人たち。子どもの靴を並べて犠牲者の追悼とイスラエルに抗議するイベントを今月5日に神戸市で開いた同市の団体職員、疋田香澄さんと連絡を取り、靴を借り受けた。靴は疋田さんが交流サイト(SNS)を通じて呼びかけ、全国から寄せられた中古のもの。子ども用の靴は、使う子どもがもう大きくならない(買い直すことはない)ことから、犠牲の象徴として並べられた。

 渋谷駅の前は、茨城県つくば市でも同様のイベントがあった。企画したメンバーの一人、ライラさん(37)は、「つくばで展示した時、見に来た子どもたちが靴のそばで走り回っていた。ガザで殺された子たちはもう走ることもできない。子どもや、多くの市民が殺されていることに想像力を持ってほしい」と呼びかけた。

 ガザ保健当局によると、2023年10月にガザ地区で戦闘が始まって以降のガザ側の死者は6万6000人を超えた。うち約2万人が18歳未満とされる。

 ベビーカーを押して駅前を通りかかった川崎市の女性(33)は「子どもの命を奪うことは(子どもや民族の)未来を奪うこと、そして、一人一人に名前があったのだと改めて感じて涙が出た。完全に停戦し、終わらせるために自分も何かしたい」と話していた。【東海林智】

毎日新聞

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