高木美帆2位、光明見えた スピードスケート全日本距離別選手権

2025/10/24 22:52 

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 ◇スピードスケート全日本距離別選手権(24日、長野・エムウェーブ)

 ◇女子3000メートル 高木美帆選手(TOKIOインカラミ)=2位、4分7秒12

 「しっくりこない」と不安を抱えて迎えた今季初の大会。初日から2種目に出場した高木美帆選手が表彰台の真ん中に立つことはなかった。

 しかし、レース後の表情は意外にも柔らかい。「崩れたところから組み直しつつある感じ」と笑顔を浮かべた。

 光明が見えたのは、最初の種目の500メートルを2位で終え、2時間ほど後に始まった3000メートルだ。

 リズミカルな滑りで周回を重ね、1位と0秒24差の4分7秒12の2位でフィニッシュ。ウイリアムソン師円コーチと「もっとひどいレースになると思ったよね」と笑い合った。

 四つのメダルを獲得した2022年北京冬季オリンピック後、さらなる進化を目指した。スケート靴のブレード(刃)を変更し、腕の位置を修正したが、イメージと実際の体の動きが一致することはなかった。

 そこで「全力で滑る中でスケーティングを確立させる」と今大会は4種目にエントリーした。

 初日の記録や順位については満足できるものではなかったが、体を思い通りに動かすことができた場面があり、「一つの成功体験になった」という。

 25日は1000メートル、26日は世界記録を持つ1500メートルに出場する。

 「数少ないレースに一つずつ全力で向かっていきたい」

 今大会はワールドカップ(W杯)の代表選考を兼ねており、出場する4種目で代表権を得られれば、今後、より多くの実戦を重ねることができる。

 来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で大輪の花を咲かすべく実績あるエースは一歩ずつ進む。【森野俊】

毎日新聞

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