20年ぶり「日鉄」復活 別大マラソンに4選手 新監督の下で鍛錬
第74回別府大分毎日マラソン大会(毎日新聞社など主催)に、日本製鉄九州製鉄所大分地区(大分市)の陸上競技部から4人のランナーが出場する。「新日鉄大分」の名で知られたかつての名門も、企業スポーツを取り巻く環境の変化で近年は活動が下火に。新監督の就任を機に今年を「復活元年」と位置づけ、約20年ぶりに別大毎日マラソンのスタートラインに立つ。【山口泰輝】
◇OB中村さん、監督に就任へ 「部に恩返し」
会社ホームページによると、同部は創立56年目で過去には第32、36回の別大毎日マラソンで優勝した西村義弘さんらトップランナーが所属していた。当時は会社が部活動を支援する「企業チーム」として活動し、有望なランナーを毎年獲得していたという。
しかし、2000年代に入ると、会社の事業見直しなどに伴い、部活動への支援も行き届かなくなり、企業チームからクラブチームとなった。活動の頻度も減り、地元開催の別大毎日マラソンをはじめ、大会からも足が遠のいていた。
そんな状況を変えようと動いたのが、現役のランナー時代から長年所属してきたコーチの日隈洋一さん(50)だった。今年度末で引退する監督の後任を、2歳年上で同部OBの中村清さん(52)に打診。高校時代からランナーとして切磋琢磨(せっさたくま)してきた後輩の頼みに、中村さんも「いつかは部に恩返ししたいと思っていた」と快諾した。
今年4月の正式な監督就任を前に、中村さんは「復活」の舞台に、別大毎日マラソンを選んだ。いずれは県勢で上位に食い込むランナーを育て、「再び『企業チーム』に昇格させる」と目標を掲げ、昨年11月ごろから、選手の発掘や練習環境の整備に着手した。
今大会にエントリーしたのは、中村さんを含む男女4人。「まずは全員完走することが大切」と、選手の特長や弱点に応じた走り込みメニューを組むよう心がけた。陸上経験が浅いランナーもおり、疲労の具合を考慮しながら、月ごとの走行距離を徐々に上げるなど、チームの底上げに気を配る。
昨年12月には約10キロの道のりを走る朝練習を始め、徐々に練習の密度を上げる。退勤後の夕方練習にも力を入れ、月に600キロ走ったランナーもおり、目前に迫った号砲に向けてチームの士気は高い。日隈さんは「部の活動全てが変わった。まじめでこだわりが強い中村さんの行動力は想像をはるかに超えており、これからは期待しかない」と喜ぶ。
◇のぼり旗かかげて 社を挙げて応援へ
チームの奮起に、周囲の応援も活気づいている。会社OBが勤務する縁から、大分高校書道部が選手たちの名前を冠したのぼり旗を揮毫(きごう)し、別大毎日マラソンの当日は社員らが沿道に駆けつけてのぼり旗を手に声援を送る予定だ。中村さんは「会社としても一体感を感じる。『日鉄といえば陸上競技部』と言われるよう、かつての活気ある部を復活させたい」と意気込む。
大会は2月1日正午に大分市の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」前をスタート。別府市内を経由して大分市のジェイリーススタジアムでフィニッシュする。過去最多の4708人がエントリーしている。
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