日本海側「ドカ雪」の背景に北極の温暖化 29~30日も大雪警戒
北日本から西日本の日本海側は21~25日、記録的な大雪となった。札幌市では25日に24時間降雪量54センチを記録。青森市酸ケ湯(すかゆ)では雪の深さが470センチ(25日時点)に達した。いずれも1月の観測史上最多だ。29~30日も同様の気象条件が予想される。気象庁は山沿いや山地だけでなく、平地でも大雪になる所があるとして警戒を呼び掛けている。
◇線状降「雪」帯
平年を上回る「ドカ雪」の要因は「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」の発生だ。JPCZとは日本海側に雪雲を発達させる帯のこと。「冬の線状降水帯」「線状降雪帯」などとも呼ばれる。シベリア高気圧から流れ込む寒気が、朝鮮半島北部にある長白山脈にぶつかって二手に分かれ、日本海上で再び合流することで発生する。
気象庁によると、JPCZは21~25日、山陰から山形県付近にかけて南北に移動しながら停滞した。日本海には南から暖流(対馬海流)が流れる。海面水温と寒気の温度差で大量の水蒸気が発生し、雪雲を発達させたとみられる。
◇北米にも大寒波
今回JPCZが発生した理由として、三重大の立花義裕教授(気象学)は「北極の温暖化」を挙げる。
温暖化に伴い北極の氷が解けると、温められた海水が蒸発。発生した暖気によって北極近辺の寒気が押し出されて南下する。こうした現象が近年、12~1月に頻発しているという。国立極地研究所などの観測によれば、北極の海氷の最大面積は2025年、観測史上最小となった。
今年も1月上旬以降、北極から強い寒気がロシアや日本周辺に南下し、シベリア高気圧を強めて、JPCZを発生させたと考えられる。西側では北米へ寒気が南下。米メディアによると、米国では24日以降、大寒波により少なくとも42人の死亡が報告されている。
一方、大規模な交通障害が起きた札幌圏の大雪はメカニズムが異なる。気象庁によると、北海道西側の海上に22日ごろ、小さな低気圧が発生。その後、石狩湾まで南下し、札幌圏に大雪をもたらしたという。
立花教授は「温暖化による海面水温の上昇で、水蒸気を多く含んだ雪は重くなっている。天気予報をこまめに確認し、適切な対応をとってほしい」と呼び掛ける。
◇温暖化で降水量増加
地球温暖化が気象にどれだけ影響したかを分析する「極端気象アトリビューションセンター(WAC)」は27日、21~23日の大雪について「温暖化が内陸や山沿いの降雪量増加に寄与した可能性がある」とする分析結果を発表した。
WACに参加する北海道大の佐藤友徳教授らは、今回の気圧配置と似た過去の例をデータベースから抽出し、温暖化がある場合とない場合で200例ずつシミュレーションした。その結果、JPCZに沿ったエリアや北陸、東北、北海道地方などで、温暖化により雪を含む降水量が増えた可能性が明らかになった。新潟県上越市や十日町市の72時間降水量は150ミリを超えたが、温暖化によって9・5%増えたと推計されるという。【高橋由衣】
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