公式戦初出場の専大松戸9番、会心のDH1号アーチ センバツ

2026/03/26 21:14 

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 ◇選抜高校野球大会2回戦(26日、甲子園)

 ◇○専大松戸8―3九州国際大付●

 夕闇に染まる甲子園に美しい放物線が描かれた。

 接戦の終盤、勝負を決定づける3ランを放ったのは専大松戸の「9番・DH」の吉田颯人(はやと)だった。

 2点リードの八回1死二、三塁。この試合が公式戦初出場の背番号「20」の2年生は「犠牲フライでもいいから外野に飛ばそう」と自らに言い聞かせて右打席に向かった。

 カウント3―1からの5球目。狙っていた内角直球をフルスイングすると、甲高い打球音が響く。「暗くてあんまり打球が見えなくて……。二塁ベース付近で審判が腕を回しているのを見て気づきました」。会心の一発を左翼席へ運び、ベンチでニッコリ笑う持丸修一監督に迎えられた。

 「とにかく、びっくり」。監督として春夏通算10勝目を手にした77歳の持丸監督も采配が的中し、驚いていた。初採用された指名打者(DH)制がなければ「ベンチに入らなかった選手。気楽に打たせた方がいい」とベテラン監督は9番起用の意図を語る。

 起用に応えた吉田は昨秋の千葉大会ではベンチ入りしたが、関東大会ではメンバーを外れた。その悔しさを胸に、冬場は得意の打撃に生き残る道を見いだした。

 そして、大会メンバーに滑り込むと、甲子園大会で初めて本塁打を放った指名打者となった。歴史に名を刻んだ吉田は「あまり実感がわかないが、記念すべき一打を打てて良かった」。大勢の報道陣に囲まれながら、気持ち良さそうに大粒の汗を流した。

 終わってみれば、明治神宮大会王者を10安打8得点でねじ伏せた。昨秋の公式戦で出場校トップのチーム打率3割9分をマークした強力打線はDHも機能し、勢いを増している。春夏で過去最高に並ぶベスト8入り。次は関東大会で敗れた山梨学院にリベンジし、歴史を塗り替える。【長宗拓弥】

毎日新聞

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