流れも関係ない勝負強さ 3戦連続逆転勝ちの智弁学園 センバツ
◇選抜高校野球大会準決勝(29日、阪神甲子園球場)
◇○智弁学園(奈良)2―1中京大中京(愛知)●
野球には「流れ」があると言われる。だが、この言葉は今大会の智弁学園には当てはまらない。
同点の八回1死二塁。4番の逢坂悠誠は「何回もチャンスがあった中で打てなかった。ここが最後になる」と集中力を研ぎ澄ませていた。
内角の沈む変化球を引っ張ると、速いゴロが一塁線を破る。勝ち越し打。二塁ベースに頭から滑り込み、派手に雄たけびを上げた。
「流れほんまに悪いなあ」。終盤まで、逢坂ら選手たちはもどかしさを感じながらプレーしていたという。
八回の決勝点も滑らかな攻撃ではなかった。
先頭が内野安打で出塁した後、送りバントは飛球に。一塁走者が飛び出して併殺かと思われたが、球は処理しようとした捕手のミットからこぼれて犠打になった。
この千載一遇のチャンスを逢坂が仕留めたが、どっちに転んでもおかしくない展開だった。
大会史上最多の8点差を逆転した準々決勝も含め、試合巧者とは言いがたいゲーム運びが続く。
この日も同点とした六回にバントのミスがあり、続く七回は打球判断のミスでチャンスをつぶした。
ただ、大逆転劇の成功体験から小坂将商(まさあき)監督は「(チームには)あきらめない気持ちがある。何とかなるだろう」とどっしりと構えていた。
逢坂も「いっぱい怒られて、向かっていく気持ちを鍛えてきた。自分らの気合を見せたという感じです」と笑う。
昨秋の公式戦は9試合で17失策とミスが出る中、近畿大会で準優勝した。その中には5点差をひっくり返した試合もあった。
今大会も2回戦から3試合連続で逆転勝ちとなった。ミスが出ても、劣勢でも、そして「流れ」をつかめなくても、最後は勝つ。今の智弁学園には「たくましさ」がある。【長宗拓弥】
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