50年に沖縄県民所得2.5倍目標 米軍基地の跡地利用で 地元財界

2025/05/19 20:25 

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 沖縄県の経済団体や地元有力企業、米軍基地を抱える那覇、浦添、宜野湾の3市で構成する「GW(ゲートウエー)2050プロジェクト推進協議会」は19日、基地の跡地利用や那覇空港(那覇市)の機能強化によって県経済の成長を目指す2050年の将来構想「グランドデザイン」を発表した。1人当たり県民所得(24年度見通し約254万円)を50年度までに、2・5倍の624万円に上げる数値目標などを掲げた。今後の沖縄振興計画に反映させるよう、国や県に提言する方針。

 那覇市の米軍那覇港湾施設(那覇軍港、約56ヘクタール)▽浦添市の米軍牧港補給地区(約268ヘクタール)▽宜野湾市の米軍普天間飛行場(約476ヘクタール)――は、いずれも市街地にあって、将来的に日本側に返還される予定。協議会は、3基地の跡地について機能を分担しながら一体的に開発し、県全体の経済成長につなげる目的で24年8月に設立された。

 構想では、観光などの既存産業に加え、海洋資源や先端医療、航空・宇宙の各成長産業のビジネス・研究拠点を返還跡地に集積する。各産業の将来的な「規模感」を基に50年度時点の名目県内総生産の目標を現状の2・2倍の11兆円と算定した。逆算すると年3・2%の経済成長が必要になる。就業機会も増えるとして、人口も現状より20万人増の167万人になると見込んだ。

 ただし、基地返還は埋め立て工事を伴う県内移設などが条件となっており、政府は具体的な時期を明示していない。協議会の代表理事を務める本永浩之・沖縄電力社長はこの日の記者会見で「返還が前提になるので、早期実現をこれからも主張したい」と述べた。【比嘉洋】

毎日新聞

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