トランプ関税の負担「顧客企業か自社か」 中部経産局長が影響懸念

2025/05/20 21:35 

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 中部経済産業局の寺村英信局長は20日の定例記者会見で、トランプ米政権の高関税措置によって生じる企業のコスト増加分の負担を「顧客企業がするのか、自社でしなければいけないのかといった交渉がこれから本格化する」と語り、企業活動への影響に懸念を示した。

 寺村局長は「実際に関税負担が生じ始めたという話はまだ聞かないが、そろそろ出てくるタイミングだ」と述べ、同局管内に及ぶ影響を明らかにした。

 管内の自動車部品などの製造業では、米国内の取引先から関税対策として前倒しの納品や出荷の一時停止といった要請を受けている企業もあり、「倉庫で(製品を)一時保管する費用が既に生じている」と述べた。

 設備投資の時期についても「日本国内や米国内で、様子見のため後ろにずらす動きが生じている」とした。

 今後、関税負担を巡る企業間の交渉が本格化するとの見方を示し「消費者との関係で製品価格に転嫁しにくいものは、(企業側が)関税負担を一部求められるということも聞こえてきている」と明らかにした。

 短期的対応として従業員数を減らすなどの影響は生じていないが、中長期的に米国で自動車などの生産が増えれば「そうした検討も出てくるだろう」と語った。【大原翔】

毎日新聞

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