日鉄、USスチールに2兆円の投資計画か トランプ氏が買収承認なら

2025/05/20 10:32 

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 日本製鉄がUSスチールの買収をトランプ政権に認めてもらうため製鉄所の新設を含む総額140億ドル(約2兆円)の投資を計画していると、ロイター通信が19日、報じた。トランプ大統領が唱える米国への巨額投資の要請に応えることで、トランプ氏が難色を示している買収の認可を引き出したい考え。トランプ氏は6月5日までに判断することになっているが、ロイターによると後にずれる可能性があるという。

 報道によると、日鉄は買収が認められた場合、2028年までに110億ドルの投資を実行し、その後数年かけて残りの30億ドルを投資するという。

 バイデン前政権は1月に「国家安全保障上の問題がある」と判断して日鉄に買収中止命令を出した。だがトランプ氏は大統領就任後の4月、対米外国投資委員会(CFIUS)に対し、日鉄による国家安全保障上のリスク軽減措置が適切かどうか再審査するよう命令。CFIUSは5月21日までに審査結果を大統領に報告し、大統領はその後、15日以内に買収の可否を判断することになっているが、期限の6月5日までに発表されない可能性があるという。

 トランプ氏は海外企業による米国への巨額投資を求めており、日鉄は買収予定額に匹敵する大規模な投資計画を示すことで買収を認めてもらいたい考え。ただ、かつて強い米製造業の象徴だったUSスチールについて、トランプ氏は、日鉄など海外企業に買収されるのを拒絶する考えを示している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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