新電力を意識? 四国電力、今夏の割引きキャンペーンの狙いは
四国電力(高松市)が7~9月分の電気料金について、毎月1100円を割り引くキャンペーン「よんでん夏の応援割2025」を受け付けている。エネルギー価格の高騰などで電気料金は高水準が続き、1~3月使用分には、国の支援措置も実施されていた。だが、四電のキャンペーンは先着15万口に限定した独自の取り組みで、利用者も申し込みが必要だ。
◇24年夏、25年冬に続き
四電の同様キャンペーンは、2024年夏(7~9月)や25年冬(1~3月)に実施したのに続き3回目で、割引額はいずれも月1100円だ。
対象は初実施の24年夏には、家庭などに18歳以下もしくは75歳以上の住人がいれば、要件を満たした。だが「高齢者の対象を拡大してほしい」という声があり、25年冬には65歳以上に拡大する一方、若年層の要件は3歳未満や高校や大学の入試を控えた受験生のいる家庭などに絞った。いずれも、空調需要などで電気使用量が膨らむ時季を意識したキャンペーンだ。
◇枠を5割増しに
そして、今回は18歳以下もしくは65歳以上の住人がいることを要件としたが、割引き枠を15万口と従来の5割増しに拡大した。
20日に発表された気象庁の3カ月予報でも6月から8月にかけての平均気温は「高い見込み」とされているだけに、冷房需要などで使用量が増える夏場には、契約者には魅力的に映る。
規制料金の「従量電灯A」から自由料金である「おトクeプラン」など対象プランに切り替えた場合、月々の割引額に1100円上積みされて倍となる。
だが、対象を先着15万口に限っているとはいえ、月額1100円を3カ月、15万口も割り引いた場合、四国電力には5億円近い減収要因となる。そこまでして取り組むのは……
◇「選ばれるため」
四電が21年3月に策定したグループの中期経営計画によると、16年4月の電力小売り全面自由化以降、四国における四電による小売り販売電力量のシェア(市場占有率)の前年度比は、17年度4%減▽18年度5%減▽19年度2%減――などと低下してきた。資源エネルギー庁の資料によると、新電力のシェア(24年3月時点)は、四電管内では10・0%で、東京電力管内の26・9%などと比べ、善戦しているとも言える。
四電の経営計画では、「収益性を維持しつつ(シェア)減少を抑止」し、計画最終年度である25年度には減少率0%と下げ止まらせることを目標としている。そのためにも、「収益性を加味しつつ、要望に応える料金プランを作ることで引き続き選んでいただけるように」(四電)と内容が検討された。このキャンペーン、新電力への顧客流出引き留め策の側面も色濃くにじむのだ。
◇窓口で支援も
ただ、今回のキャンペーン、原則として同社の無料会員制ウェブサービスである「よんでんコンシェルジュ」に登録した上、申し込む形になる。ウェブなどでの手続きが苦手な顧客もいる点について、四電徳島支店は「(電話窓口である)カスタマーセンターのほか、支店や営業所といった窓口でも(申し込み手続きを)支援するので相談してほしい」と呼び掛けている。申し込みは6月1日までだが、先着15万口なので注意も必要だ。【植松晃一】
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