プライマリーバランス黒字化目標「25~26年度」に後退 政府調整

2025/05/21 21:42 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 政府は21日、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標を現行の2025年度から遅らせる方向で調整に入った。25~26年度と目標年度に幅を持たせる。与党と調整のうえ、6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込む。

 PBは社会保障や公共事業などの行政サービスを提供するための政策経費を、借金に頼らずに税収などでどれだけ賄えるかを示す指標。内閣府は1月に示した試算で、24年度補正予算の執行の一部がずれ込む影響で25年度にPBは4・5兆円程度の赤字になるとしていた。一方で26年度については、経済成長による税収増などが実現した場合、2・2兆円の黒字に転じるとしていた。

 こうした試算も踏まえ、26年度までの黒字化目標を掲げて財政健全化の姿勢を示す。ただ、政府・与党は今後、トランプ米政権の関税措置や長引く物価高を受けた経済対策を示す見通しで、歳出圧力は強まる見通しだ。【高田奈実】

毎日新聞

経済

経済一覧>