ダルトン首脳、フジテレビを訪問 提案人事案拒否は「失望」

2025/05/21 20:32 

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 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、独自の取締役候補を株主提案していた米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」の首脳が21日、フジテレビを訪れ、フジの清水賢治社長(HD専務)と会談した。対話を継続していくことで一致したが、要求を取り合わなかったフジ側の対応に不満を示した。

 ダルトンはSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長ら12人を取締役とするよう求めていたが、フジ側が16日に示した新たな取締役人事案には反映されなかった。

 会談終了後、ダルトンの共同創業者で最高投資責任者のジェームズ・ローゼンワルド氏が報道陣の取材に応じ、「非常によい協議だった。お互い対話を継続していくことを確認した」と振り返った。

 その一方、人事案が受け入れられなかったことには「今日の時点でも我々の12人の方がフジが示した案より良いと考えている」と述べ、失望したとした。また新たな妥協案の検討も期待したが、清水社長からはそうした案は無いと明確に表明されたという。

 ローゼンワルド氏はこれまでフジ側に何度も協議の場を求めてきたが拒絶されてきたと言い、「我々が投資している他の多くの会社では水面下で交渉してきたし、関係者全員にとってもより良いはず。表の場で争うのは本当に残念なことだ」と苦言を呈した。

 ダルトンは関連企業含めてフジHD株の約7%を保有している。フジHDの株主総会は6月25日開催予定で、株主の委任状争奪戦(プロキシファイト)に発展する可能性もあるが、その対応についてはローゼンワルド氏は言及を避けた。

 フジHDの広報は取材に「株主からの面談の申し出には真摯(しんし)に対応している。引き続き真摯な対話を継続する」とコメントした。その上で投資家との個別の面談内容について公表していないとした。【植田憲尚、諸隈美紗稀】

毎日新聞

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