ハイブリッド旅客船「ハナリア」公開 日本初の「水素×バイオ燃料」

2025/05/21 18:47 

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 愛媛県今治市で22日に開幕する国際海事展「バリシップ2025」に先立って21日、日本で初めて水素とバイオ燃料を使ったハイブリッド型旅客船「HANARIA(ハナリア)」が今治港で報道陣に公開された。同船はこの日、公益社団法人日本船舶海洋工学会の「シップ・オブ・ザ・イヤー2024」に選ばれたばかり。体験クルージング(要事前登録)、見学会もバリシップ開催中の24日まである。

 海に浮かんだ卵をイメージしたデザインのハナリアは全長33メートル、総トン数238トンで定員103人。商船三井グループなどが出資する「MOTENA-Sea(モテナシー)」(東京)などが開発し、2024年4月から北九州市を拠点に運航。水素燃料電池、リチウムイオン電池とバイオディーゼル燃料から動作モードを選んで航行できる世界でも例のないシステムで、二酸化炭素削減率は53~100%となる。

 1階客室には98インチの大型モニターが置かれ、イベントや環境教育、国際会議の会場としても利用できる。2階客室は船上の風を感じながらクルージングできる設計で、担当者は「次世代燃料船の活躍により、脱炭素化社会の実現に貢献できる」と話す。

 隔年で開くバリシップには今回、過去最多の24カ国・地域の384社が出展する予定で、「造船」「海運」「舶用機器」の各分野で次世代燃料やデジタルトランスフォーメーション(DX)などの最新技術を紹介。最終日の24日は今治市と市海事都市交流委員会が一般向けイベントや見学会を開く。詳細はバリシップ2025の公式サイトで案内している。【松倉展人】

毎日新聞

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