イスラエル軍、日本含む外交団に発砲 けが人なし ヨルダン川西岸

2025/05/22 00:48 

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 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で21日、ジェニン難民キャンプ周辺を視察していた外交団に対し、イスラエル軍の兵士が発砲した。パレスチナ通信によると、日本や欧州連合(EU)など20カ国以上の外交官が参加していた。

 イスラエル軍は、外交団が許可されていない地域に立ち入ったため、警告射撃を行ったと発表した。けが人はいないという。

 パレスチナ自治政府が公開した動画では、数発の銃声が響いた後、外交官とみられる人々が小走りで避難。別の動画には、テレビ局のインタビューを受ける外交官らの背後から、突然、発砲音がする様子が映っていた。

 自治政府はツイッター(X)で「占領軍は、住民の苦しみを理解するため現地視察していた外交団に向けて発砲した」と非難した。

 外交団は難民キャンプの入り口付近で、人道状況などの説明を受けていたという。在イスラエル日本大使館によると、ヨルダン川西岸ラマラにある日本政府代表事務所の日本人職員も参加していた。

 EUのカラス外務・安全保障政策上級代表は「外交官の生命を脅かす、いかなる威嚇も受け入れられない」と抗議。トルコ外務省は「イスラエルが組織的に国際法や人権を無視していることを示すものだ」と批判した。

 イスラエル軍は遺憾の意を表明。調査結果を各国に報告するとしている。

 イスラエル軍はガザ地区でイスラム組織ハマスとの戦闘を行う一方、ヨルダン川西岸でも軍事作戦を強化。ハマスの拠点とみなすジェニン難民キャンプなどで断続的に掃討を繰り返している。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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